食品容器の材質について
食品容器に使用されるプラスチック素材の種類、特長、用途を徹底解説します。本記事では、耐熱性や断熱性、耐油性など、各素材の性能を比較し、電子レンジ対応容器や耐熱食品容器の選び方を具体的にご紹介します。食品容器選びに迷ったときの参考にしてください。
PP(ポリプロピレン)系素材
PP(ポリプロピレン)
ポリプロピレンはプラスチックの一種で、無色透明な化合物であるプロピレンを使用して製造されます。優れた耐熱性から内装・蓋、電子レンジ対応容器、耐熱食品容器としてご使用いただけます。
ハイスター(耐熱、耐油低発泡ポリプロピレン)
成形性に優れシャープな形状の製品が成型可能です。低発泡品なので製品の重ね高さが低く、配送、在庫スペースのコストダウンができます。エフピコ様独自の素材です。
RF(発泡ポリプロピレン)
PP素材を発泡させた素材です。シーピー化成様の独自技術により耐寒性を付与しています。
CT(ポリプロピレン+タルク)
CTは中央化学様独自の製法技術により開発された、PPとタルクを配合した素材です。優れた耐油性と耐熱性により電子レンジでの使用が可能です。
またBCT(バイオCT)シリーズは、植物由来のバイオマス資源を利用し、カーボンニュートラルに貢献しています。
CTF(ポリプロピレン+タルク)
CTFは、中央化学様のCFの発泡層を芯層にした多層構造化と添加するフィラーのタルク配合率を低減し、PPフィラー容器としては最も軽量化された素材で、ある程度の断熱性もあります。
TALFA・タルコン(ポリプロピレン+タルク)
TALFAは、天然資源(タルク)にPPを加えて作られた、中央化学様独自の製法技術により開発された素材です。
天然資源のタルクを50%配合することで、石油由来原料を削減し、CO2排出量を49%削減(中央化学様PP比)することが可能です。
タルクは製造過程においてほとんど水を使わず、木材を原料としていないため、水資源や森林資源に対する負荷が少ない素材でもあります。紙と同様に一般家庭ごみとして廃棄処分が可能となり、容器包装リサイクル法対象外の素材です。
SPP
SPPは中央化学様独自の製法技術により開発された、耐熱性に優れたPP素材で、OPSと同等の高い透明性を持たせた素材。
主に蓋に使われ、電子レンジの使用が想定される弁当容器や惣菜容器の蓋はもちろん、これまでは難しかった透明レンジ容器などにも最適の素材です。
PP発泡(低発泡ポリプロピレン)
福助工業様独自の素材です。電子レンジで温めても容器外側が熱くならない断熱性を持ち、耐熱性、耐油性にすぐれています。
PPF(フィラー入りポリプロピレン)
PPフィラー(フィラー入りポリプロピレン)は、ポリプロピレンにタルクを配合することにより、耐熱温度を130℃までに高めた素材です。優れた耐熱性から弁当、惣菜等、電子レンジ対応容器、耐熱食品容器として利用されています。
SD(スマートダッシュ)
中央化学様独自の素材SD(スマートダッシュ)は、従来のPPF素材(ポリプロピレン樹脂にタルクを混合し特性を向上させた素材)の「耐熱性」「耐油性」「省資源」に加え、「断熱性」「高級感」「軽量」「環境に優しい」の機能を加えた素材です。
積層発泡構造を実現することで、容器を持っても熱くない断熱性、保温性も高いという特徴を実現しています。
積層発泡素材にもかかわらず、かさばらず、深絞りの成型が可能となり、高級感も実現し、既存のPPF素材と比べて約35%の軽量化を達成。CO2排出量の大幅な抑制にも寄与する環境に優しい素材です。
バイオPPF
耐熱性が高く電子レンジに利用できるPPFに植物由来ポリエチレンを配合したハイブリッド素材です。食品と触れる部分の素材はPPフィラーとなっております。
PS(ポリスチレン)系素材
PS(ポリスチレン)
PS(ポリスチレン)は、スチレンという化学物質を重合させて作られる軽量で硬いプラスチックです。この素材は透明性が高く、成形性と耐衝撃性に優れています。成形が容易でコスト効率が良いため、製造業界で広く利用されています。さらに、断熱材や一次包装材料としても重宝されるため、多岐にわたる用途で活躍しています。
HIPS(ハイインパクトポリスチレン)
HIPS(High Impact Polystyrene/ハイインパクトポリスチレン)は、ポリスチレンにゴム成分を添加して耐衝撃性を向上させたプラスチックです。ポリスチレンよりも柔軟性と強度が増し、製品の耐久性が高まります。
エクスター(耐熱、耐油ポリスチレン)
エクスター(耐熱、耐油ポリスチレン)は、ポリスチレンの改良により、耐熱性を向上させた素材です。すぐれた断熱性と独特のソフト感を持ち合わせ、高級感の演出を可能にする食品容器に使用されています。エフピコ様独自の素材です。
ハイブラック(耐熱、耐油ポリスチレン)
ハイブラック(耐熱、耐油ポリスチレン)は、ポリスチレンの改良により、耐熱性を向上させた素材です。
漆黒の色調等、高級感の演出を可能にする食品容器に使用されています。エフピコ様独自の素材です。
MFP(マルチFP:耐熱耐寒ポリスチレン)
マルチFP(MFP:耐熱耐寒ポリスチレン)は耐熱性(110度)・耐寒性(-40度)を併せ持った素材です。
発泡品なので断熱性にも優れ、冷凍からレンジ加熱まで幅広い用途にご使用いただけます。エフピコ様独自の素材です。
MSD(マルチSD)
マルチFPの改良により生まれたマルチの非発泡タイプです。成形性にも優れシャープな形状が可能な、電子レンジ適正の高い素材です。
BF-低発泡ポリスチレン(PP入り)
BF低発泡ポリスチレン(PP入り)は、電子レンジで温め可能な耐熱性があり、また、耐油性・断熱性・保温性に優れているシーピー化成様独自の素材です。
BSポリスチレン(PP入り)
BSポリスチレン(PP入り)は、ポリスチレン素材単体よりも、耐熱性と耐油性を向上させたシーピー化成様独自の素材です。
BFOポリスチレン(PP入り)
PS素材単体よりも耐熱性を向上させ、強度も優れ耐寒性もある、シーピー化成様独自開発素材です。
CF(シーファイン)
CF(シーファイン)は中央化学様独自の製法技術によりフロンガス等の発泡ガスを使用しない低発泡(発泡倍率2~3倍)ポリスチレン素材です。きめ細やかな質感とパール光沢も美しい高級感のある素材で、優れた印刷特性を持っています。
従来のPSPと比較してかさばりも解消し省スペース性が大幅に向上しています。またBCF(バイオCF)シリーズは、植物由来のバイオマス資源を利用し、カーボンニュートラルに貢献しています。
プラピス
プラピスは、PLA(ポリ乳酸)など植物由来のサステナブルなプラスチックを配合したデンカポリマー様の素材の総称です。
PLA(ポリ乳酸)を原料としたタイプのプラピスは、従来のポリスチレン以上の耐熱・耐薬品・耐油性があります。
断熱性が発揮できる発泡容器から、シャープなデザインが可能なソリッド容器まで、様々な容器に活用されています。
PSP(発泡ポリスチレン)系素材
PSP(発泡ポリスチレン)
PSP(発泡ポリスチレン)は優れた保湿性、断熱性を有し剛性も優れ成形性が良いため、常温使用の容器として広く使われています。PSPでできた容器はスチレン容器とも呼ばれることがあります。
耐熱PSP(耐熱発泡ポリスチレン)
PSPの耐熱性、耐油性を強化した素材で、電子レンジも可能です。
TN(発泡ポリスチレン)
シーピー化成様独自開発により、PSP素材単体よりも耐熱性を向上、またPPフィルムをラミネートすることで耐油性も付与した素材です。
UF(低発泡ポリスチレン)
非発泡素材に比べ、軽量な低発泡素材です。剛性にも優れています。シーピー化成様独自の開発素材です。
透明系素材
透明OPS(透明ポリスチレン)
透明OPS(Oriented Polystyrene:透明ポリスチレン)は、ポリスチレンを伸ばして製造されるプラスチックです。透明性が良く、主に蓋に使用される素材です。蓋として短時間であれば電子レンジも可能です。
耐熱OPS
耐熱タイプのポリスチレンを縦横方向に延伸した素材です。一般OPS同様の透明性・光沢性があり、レンジアップ時の熱変形を抑制することができます。
ユーガード(耐油OPS)
従来のOPSに比べ、耐油性、耐酸性、耐熱性など、様々な性能をバランスよく持った汎用性の高いデンカポリマー様の素材です。
透明A-PET
透明A-PET(非結晶ポリエチレンテレフタレート/Amorphous Polyethylene Terephthalate)は、透明性が高く、耐化学性に優れたプラスチック材料です。優れたガスバリア性、保香効果があり、ペットボトルなどの飲料容器でおなじみの素材です。透明性、耐油性も持ち合わせ、サラダお惣菜容器としての用途としても用いられています。
エコAPET
エコAPETは市場回収された透明容器やペットボトルを再び透明容器としてよみがえらせた、リサイクルAPET容器です。中央化学様はC-APGとも表記している場合がございます。
エコOPET
エコO-PETはエフピコ様の透明素材です。リサイクルで回収したPETを縦・横に延伸させ、従来特性の耐油性、透明性を維持したうえでOPS並みの80度の耐熱を実現した素材です。
バイオPET
高い透明性や耐油性を特徴とするA-PETに植物由来A-PETを配合したハイブリッド素材です。
PLA
植物由来の生分解性プラスチック容器です。CO2排出抑制や、廃棄物削減など環境に優しい素材です。使用後は微生物により水と二酸化炭素に分解することができる環境に配慮された素材です。
紙・複数素材・その他
自然素材
サトウキビ、葦、ケナフ等、自然素材で作られた環境に配慮したエコ商品です。
紙
デザイン性に優れて、リサイクルしやすく環境にも優しい容器です。耐水性、耐熱性に弱いですが、ラミネートすることでその弱点を補っているものもあります。
紙(コーティング)
紙の素材に、プラやラミネート等のコーティング加工を薄く施し、紙としての環境に配慮しながら、耐油性とのバランスをとった素材です。
紙(コーティングレンジ可能)
紙の素材に、プラやラミネート等のコーティング加工を薄く施し、紙としての環境に配慮しながら、耐油性とのバランスをとった素材です。その中でもレンジ可能な加工をした材質です。
MAPKA(紙+PP)
MAPKAは紙を主原料とし、プラスチック含有が50%未満の中央化学様独自の環境配慮型素材です。バイオマス原料を50%以上使用することで、石油由来原料を削減し、CO2排出量を41%削減(中央化学様PP比)することが可能です。紙と同様に「一般家庭ごみ」として廃棄処分が可能な素材です。
WU(電子レンジ対応のウッド製品)
外装にPSP(発泡ポリスチレン)を使用し、内装にはPPフィラー(フィラー入りポリプロピレン)を使用することで、電子レンジ加熱が可能な素材です。エフピコ様の素材です。
その他
一般的に分類されない素材となります。特性は商品説明をごらんください