「嵌合性とは?」食品容器の蓋の形状・特徴について
蓋の種類は大きく分けて2タイプ
1.透明蓋(トウメイブタ)
透明蓋は、スーパーのお弁当やお惣菜に広く使用される一般的な食品容器の蓋です。
現在使われている多くの蓋が透明蓋で、中身が見える点で陳列向けの容器蓋です。
曇りにくい加工が施された蓋は、『防曇蓋(ボウドンフタ)』とも呼ばれます。
2.共蓋(トモフタ)
共蓋は、うな重や懐石弁当などで使われる不透明な蓋です。
うな重、懐石弁当などに使用されている、仕出し弁当向きの容器蓋などに使われております。
「嵌合」とは?
「嵌合」は「かんごう」と読み、食品容器業界では、本体と蓋の「はめあい」を言います。
嵌合性が高い蓋を使用することで、容器の蓋が外れにくくなり、液漏れを防ぐことができます。嵌合性が低い蓋を使った容器は、作業がしやすく製造コストを下げるメリットがあり、それぞれ長所と短所があります。
蓋の種類
外嵌合蓋
嵌合性 | 汁漏予防 | 作業性 |
特徴
外嵌合蓋は、容器本体の外側にパチッとはまるタイプの蓋です。 ごく一般的な、お弁当容器等で用いられている蓋になります。
用途
惣菜容器や鮮魚容器など、幅広く使われている一般的な嵌合蓋です。 液漏れ防止には弱いのでお気を付け下さい。
内嵌合蓋
嵌合性 | 汁漏予防 | 作業性 |
特徴
内嵌合蓋は、容器本体の内側にパチッとはまるタイプの蓋です。 外嵌合蓋についで一般的な蓋です。内側から圧力をかけることで、外嵌合蓋より重ねることに強くなっております。
用途
液漏れ防止に効果的なため、汁物容器に対応した蓋です。カレー、シチュー向けの容器に使用されています。
内外嵌合蓋
嵌合性 | 汁漏予防 | 作業性 |
特徴
内外嵌合蓋は、容器本体の内側と外側、両方にパチッとはまる嵌合性の高い蓋です。 円形以外の容器では、もっとも嵌合性の高いタイプです。
用途
嵌合性が高いため、液漏れ防止に効果的で、汁物容器に最適な蓋です。
ねじ式蓋
嵌合性 | 汁漏予防 | 作業性 |
特徴
ねじ式蓋は、容器のねじ式の溝に回転させながらはめこむタイプの蓋です。 蓋と容器本体のかみ合う接点が広いので、液漏れ防止に最も適したタイプです。 ねじ式のため、円形の容器のみ使用されてます。
用途
液漏れは勿論のこと、匂い漏れの防止にも最適です。キムチ・漬物向けの容器に使われています。
落とし蓋
嵌合性 | 汁漏予防 | 作業性 |
特徴
落とし蓋は、蓋の中央に落とし込みのあるタイプの蓋です。 容器同士の積み重ねが可能なため、スペースの確保に役立ちます。 内容物を多く入れ過ぎると、蓋の落とし込み部分と接触し、蓋が外れやすくなりますのでご注意下さい。
現在は重ねやすい天面が低くなった蓋を「落とし蓋」と称しているものがあり、 内外嵌合などの嵌合蓋となっております。
用途
中身の軽い、サラダ容器などに使われます。
乗せ蓋
嵌合性 | 汁漏予防 | 作業性 |
ー | ー |
特徴
乗せ蓋は、本体に乗せるだけの、嵌合性の無い蓋です。 紐で止めたり、別の箱に梱包して蓋を抑える必要があります。
メーカーによっては、「かぶせ蓋」や「かぶせ式」で表記される場合もございます。
用途
高級な折箱や、丼もの等に使われることがあります。
折蓋(嵌合なし)
嵌合性 | 汁漏予防 | 作業性 |
ー | ー |
特徴
折蓋は、本体と蓋が一体となっている折り込むタイプの蓋です。 本体と蓋が一体となっているため、作業性とコストに優れています。輪ゴムなどで、蓋を止める必要があります。
用途
屋台やレジャー等。焼きそばや恵方巻き等のフードパックに多く使われています。
折蓋(嵌合あり)
嵌合性 | 汁漏予防 | 作業性 |
ー |
特徴
折蓋は、本体と蓋が一体となっている折り込むタイプの蓋です。 本体と蓋が一体となっているため、作業性とコストに優れています。嵌合性があるタイプは蓋を止めることができますが、蓋を折る部分から汁が漏れるため、汁漏れ耐性はありません。
用途
屋台やレジャー等。焼きそばや恵方巻き等のフードパックに多く使われています。
蓋の固定のワンポイント:テープと輪ゴムでしっかりカバー
お客様が商品を持ち帰る際の安全性を確保するためには、蓋の固定が非常に重要です。特に、嵌合性が低い蓋や乗せ蓋など、しっかりと固定されないタイプの蓋には、蓋止めテープや輪ゴムを使用して確実に固定することが欠かせません。これにより、持ち運び中に蓋が外れることや、内容物が漏れることを防ぐことができます。
蓋止めテープ(サイドベンディングテープ)は、セロハンテープよりも剥がしやすく、開封時には素手で簡単に取り除ける一方で、蓋をしっかりと固定します。これにより、利用者は開封時の利便性を保ちつつ、持ち運び中の安全性も確保できます。
輪ゴムは、茶色や赤色のものが一般的に使用されており、それぞれに異なる利点があります。茶色の輪ゴムはコストが低く経済的です。一方、赤色の輪ゴムは視認性が高く、食品製造時の異物混入防止に役立ちます。
デリバリーや持ち帰り商品において、これらの固定方法を適切に用いることで、持ち運び中に蓋が外れることなく、安全に商品を提供することが可能です。ただし、輪ゴムやテープで蓋を固定しても、汁漏れを完全に防ぐことは難しいため、その点には十分な注意が必要です。